ビアンキの空色の矢
実車について:
ビアンキは、1885年にエドアルド・ビアンキーニによって
ミラノに設立されたモーターサイクルのパイオニアメーカーの1つです。
1924年発表され、フレッチア・セレステ(空色の矢)と呼ばれたこの350CCのマシンは、
世界ではじめてバーチカル・シャフトのべベルギアによるカム駆動方式を使用したDOHCを装備しました。

このエンジン形態は、50,60年代のノートンマンクスに 
究極の姿を見ることができますが、
クラシックバイクのハイ・パフォーマンス・エンジンの典型となりました。
74mmx81mmと比較的短いストロークの 
シングル・バーチカルシリンダーを採用し出力は22bps/5000rpmと 
当時としては圧倒的な高出力を誇りました。

クランクケース前におかれたチェーンドライブのマグネトーや
タンクの上の補助的給油容器、3速ハンドチェンジ・ギアレバーなどが独特の雰囲気を出しています。
1925年のイタリアGPでは、タツッオ・ヌボラーリがチームメイトと1-2-3フィニッシュを飾り
5回のイタリアGPで連続優勝を遂げました。
キットのビアンキは、この1925年の大きい燃料タンクを装備したものですが
今回製作したスリムな薄型タンクがオリジナルです。

実車について:
余り細部に凝らなくてすむ1/9を作ってみようと思ったのがきっかけですが、
結果的にはかなりの部分を作り込んだように思います。
ハンダや瞬間接着剤のきかない金属フレームを加工することから始まって、
各種レバー、複雑なオイルライン、そして可動式チェーンとそのためのギア製作などなど。
2ヶ月もかからないと考えていたものが
ちょこちょこ作っているうちにあっという間に半年が過ぎてしまいました。
その上最後の塗装で空色が上手く出せず更に一月が経過。
それもいつものような美しい鏡面仕上げには出来ていません。
また今回壊しはしなかったものの、完成後に子供が走らせて遊んだため
綺麗に仕上がったアルクラッドと塗装が剥がれ、最終的に汚し風塗装になってしまいました。
まぁ今から80年も前のバイクですし、この薄型タンクの資料も相当少ないですし
なんと言っても、これに興味のある人も少なかろうというところが救いです。
仕上がりに不満は残るものの
古いバイクのガシャガシャと動きそうな機械感は出せたかと自己満足です。

YDS1 in Progress
Mad SUGITA 初の汚しフィニッシュに挑戦!
ョールーム仕上、新車以上の輝きを追求してきたSUGITA氏が突然このビアンキで汚し塗装を試みました。
末っ子に遊ばれて折角のアルクラッド塗装が汚くなってしまったことや、ビアンキ・レーサーの古い実車写真はひどく汚れて見えること
などから、思い切ってウエザリングに初挑戦という経緯のようです。
汚し一筋、オールド・ルックス流派開祖の私から見れば、いきなり汚くなり過ぎていま一つという感はありますが、それでも上の新車仕上に
比較すると陰影がはっきりついて、重量感がより増したように見えます。
しかし仕上げの好みは人それぞれ。正解はありません。
自分の一番好きなフィニッシュ・スタイルを目指して頑張ることにしましょう。  Kim's House Garage Owner KARUBE
キットについて: 
このそのまま作ってもそれなりに仕上がるだろうと思われるほど 
パーツのディテールが素晴らしいキットです。
箱を開けると初期のプロターのイメージは全くありません。
バイクの形になるの?と思う人もいるだろうと思うくらい 
細かな部品が沢山入っており 
多くを小さなネジで留めて作るようになっています。
ただ、接着剤の効かない不思議な材質の金属には困ります。
しかもメインフレームなどが折れていましたので、
パイプやらビスやらでごまかして作り上げました。
いろんな意味で素晴らしいキットですが、
こういったものの再販を待つ人は少ないのでしょうか。

Mad SUGITA Wrote:
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